はじめに〜大切なのは方針だ、方針がなければ散漫になる〜
今更「はじめに」とは何だという話であるが、このブログの方針を述べて「はじめに」としたいと思う。なんとなく、ブログを始めたものの書くネタがない。そう思って更新が滞ってしまっていたが、ネタがないのではなく、作っていないのだ。
ここで土方歳三の言葉を思いだした。もちろん、土方歳三とは、幕末の京都を震撼させた、あの新選組の副長のことである。司馬遼太郎の新選組血風録 (角川文庫)に、土方歳三と山崎烝という新選組で監察を務めた男との会話がある。
「調べる?」
土方は、意地がわるい。
「どう調べる。調べかたにもいろいろある。私に方針(がんもく)を説明してもらいたい」
「密偵を使い・・・・」
「それは、方法だ。私のいうのは方針だ。方針がなければ、調べは散漫になる」
さすがは鬼の副長。なるほど、きっとこのブログも方針がないのがいけない。ということで、まず方針を決めることにしたのだが、改まって方針といわれると、少し戸惑ってしまう。「使用頻度の高い言葉ほど手垢に汚れ、切れ味が鈍麻し、意味が曖昧になる」とは、井上ひさしの言葉である。広辞苑で「方針」を調べてみると、「目指す方向、進むべき路」とあり、
には、「方向づけや制約条件」とある。そこで、このブログでも下記のテーマにしぼって書いてみたい。
- 医療
- 大学生活
- 受験
- 読んだ本の紹介
- 剣道
- アニメネタ?
- その他
これらをテーマとした理由は、そもそもブログを開設したきっかけそのものである。このブログを書く理由は、書くことで自分の考えを整理することと、それを公開することで誰かに情報として受け取ってもらい、あわよくば役に立ってくれないかという期待があることだ。
僕は医学部生なので医療に関して調べたり考えたりしたいので、「医療」と「大学生活」を入れた。「読んだ本の紹介」も自分の頭を整理するためだ。「受験」は今となっては、記憶は頭の隅っこに追いやられてしまったが、自分が再受験をしていたときは、予備校に通わず在宅で勉強していたため、ネット上の情報を多いに活用した。自分もそのような人達に多少なりとも有益な情報を与え得る可能性があると思う。「剣道」は僕の趣味であるが、備忘録として書いておくことにした。「アニメネタ」はとくに関心があるわけでもなく、むしろあまり見ない方だが、なぜか過去にアニメに関して記事を書いているので、案外また書きたくなるかもしれないと思って入れた。
どことなく、これで書きやすくなった気がしてきた。自由にしてよいと言われると逆に何をやろうか考えあぐねてしまうのと同じで、何でも書こうと思うと何も書けない。活動に制限をかけることが、逆に勢いをつけてくれるようだ。広い川よりも狭い川の方が流れは速い。「山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには、『選ぶ』より『いかに捨てるか』の方が、重要なことだと思います」と言ったのは将棋棋士の羽生善治だ。
学ぶとはこういうことかもしれない。どこかで聞いただけの概念が、実体験として腑に落ちたときに本当に自分のものになる。
話がそれてしまったが、上記のテーマに沿ってブログを書いていくことにする。文章を書くこと自体を楽しむことや、考えを整理することも当然大切であるが、僕の書いた文章が誰かの役に立ったり、誰かに楽しんでもらえれば幸いだと思う。
ちなみに司馬遼太郎の新選組血風録はオススメだ。僕らとは全く異なる時代に剣に生きた、命知らずな男どもの生き方は、僕の死生観に新しい発想を吹き込んでくれたように思う。