バカに進化した人類

脳神経外科医からリハビリテーション科医に転科して脳研究者を目指す医者のブログです。

ドラゴンボールの劇場版最新作でのゴハンの扱いがひどい件

 4/18にドラゴンボールの劇場版最新作「ドラゴンボールZ 復活の『F』」が公開される。鳥山明が脚本まで手掛けており、ドラゴンボール世代の僕にとってはとても気になる作品だが、この作品でのゴハンの扱いがひどい気がするのは僕だけだろうか。ドラゴンボールのなかでも特にゴハンが好きな僕にはちょっと残念だ。

 観てみないとわからないが、ゴハン以外にもいろいろツッコミどころが多いように思う。悟空の道着のマークと靴が変わっていることや、そもそも宇宙の帝王フリーザ様を「F」の一言で片づけていることが気になるが、今は措いておく。

 

 CHARACTER|劇場版『ドラゴンボールZ 復活の「F」』を見てみると、道着が見つからないという情けない理由でゴハンはなんともさえないジャージを着ている。しかもやけに体が細い気がする。メガネもかけているし、はっきりいって弱そうだ。

 

 少しゴハンの名誉挽回として簡単に説明したい。

 戦闘民族サイヤ人の血をひいて生まれてきたゴハンは父親たち戦闘マニアのせいで自然と闘いに巻き込まれていく。最初は無理やり戦闘に参加させられていたが、次第に犠牲になった仲間や師匠であるピッコロさんのため、そして地球のために自らの意思で闘いに身を投じていく。今回復活したフリーザ様にも子供の頃にだいぶ痛い目にあわされた。しかし、ゴハンは悟空のように純血のサイヤ人ではないため、闘いそのものを好むような性質はもっていない。悟空やベジータがひたすら強くなることを目指しているのに対して、ゴハンの将来の夢は「学者さん」である。にもかかわらず、地球を攻めてきたサイヤ人フリーザ軍団、人造人間と闘うのは、地球を守るという責任や正義感によってであり、戦闘民族の血をひいて生まれてきた人間の運命であった。

 

 サイヤ人として生まれた自分の運命に翻弄されつづけるゴハンであったが、セル編では彼に地球の平和が託されることにある。ドラゴンボールの登場人物は年齢不詳が多いが、ゴハンは多分このときまだ10歳くらいだろう。悟空がゴハンにすべてを託して送り出すときのやりとりがジーンとくる。

 悟空がゴハンに「やれ悟飯!!平和な世の中をとりかえしてやるんだ。学者さんになりたいんだろ?」と言って背中を押してやる。「わ、わかりました。やってみます」と返してゴハンが出ていくシーンは、今まで自分の運命に翻弄されながら地球のために懸命に闘ってきたゴハンが初めて自分のために闘うことを決意した瞬間だったのではないだろうか。

 悟空の予想通りセルを圧倒したゴハンはつい調子に乗ってしまい、父親である悟空を死なせてしまう。まだ子供にもかかわらず、ずっと誰かのために闘ってきたゴハンがたった一度調子に乗っただけで父親の亡くしてしまうなんてあんまりだ。

 僕にとってドラゴンボールで唯一、涙腺が緩むシーンだ。

 

 そのゴハンが今回の映画でこんな情けない姿にされていて残念である。せめて映画のなかでは活躍していてほしいと思う。