男尊女卑の傾向がある国は少子化になるらしい
今日の大学の公衆衛生学の講義で興味深い話を聞きましたので、簡単に書いてみたいと思います。性別に対する考えと少子化の関係について、ということになります。
男性が働いて女性は家庭に入る、といった考え方が国民の意識にあったり、男尊女卑的な傾向のある国では少子化の傾向があるようです。
合計特殊出生率という指標があります。これは一言で言うと、1人の女性が一生の間に産む平均子ども数です。日本の2014年度の合計特殊出生率は1.42となっております。日本が少子化という問題に直面していることは言うまでもありませんが、この問題を抱えているのは日本だけではありません。
日本および諸外国の合計特殊出生率の年次推移がわかるグラフがあります。
このグラフを見ると、少子化という問題に関して、先進国を二つのグループに分けられます。
この二つに分けたとき、日本、ドイツ、イタリアがほぼ1.4、韓国は約1.2となり、合計特殊出生率が低い方のグループとなります。このグループは、先進国のなかでも国民の意識に男尊女卑的な傾向がまだ残っている国であるらしいのです。
日本でもまだまだ、男性が外に働きに出て女性が家庭を守る、という考えが残っていると言ってもいいでしょう。これはイタリアも同様なようです。また、イタリアでは女性の就職率は男性に比べると悪いようです。ドイツは現在の首相が女性なので男尊女卑とは無縁に思えますが、男女では給与の差があるなどの問題があるようです。イタリアとドイツに関しては正直あまり細かい情報はありませんが、講義をした先生が、多少そのような傾向があると言っていました。
韓国に関しては以前にも似たような記事を書きましたが、男尊女卑の程度は日本よりも著しいでしょう。
日本では今のところ合計特殊出生率は1.4という低水準になってしまっています。子育て支援など少子化対策は様々行っていますが、功を奏していません。子育て支援はもちろん大切ですが、出生率を上げるには既に子どもがいる家庭への支援ではなく、子どもがいない女性が新たに生む必要があります。
子どものいる家庭への支援なども大切かもしれませんが、その前に、その子どもを産む女性に対する社会の考え方や、女性に対する支援が必要なのかもしれません。